大学の授業は1コマ4000円?
つい先日、このような内容のテレビを見た。
「大学の講義は1コマ4000円。1コマ(90分)をサボることは4000円をドブに捨てるようなもの」
紹介されていた根拠としては、いたって単純。
4年あたりの大学の授業を考えると、、、
学費:400万円
要卒単位数: 124単位
1単位取るのに必要な授業の回数:7.5回 (15回の講義で2単位とれるので)
400万円 ÷ 124単位 ÷ 7.5回 = 約4300円
国立私立、文系理系によって学費は変わるが
何れにしても、1コマあたり3000円~5000円程度に収まる。
番組の結論としては、
「だから、講義をサボるのはもったいない」
というものだった。
、、、果たして本当にそうだろうか?
あなたは、この考え方をどう感じますか?
僕は、半分は賛成だが、もう半分は危険とさえ思う。
「大学にお金を投資する以上、価値を回収した方がいい」という意見なら大賛成だ。
しかし、その考え方をする時に絶対に外してはいけないのは
「何が大学の価値なのか?」を考えること。
大学の価値は、「授業を受けること」なのだろうか?
そんなはずはない。
授業を受けることは手段であって、目的ではない。
「授業に出席すること」自体が目的になってはいないだろうか?
「授業に出席すること」が目的になると悲劇が生まれる。
想像してみてほしい。大学の卒業時。
「私って結局、大学で何を学んだんだっけ?」
「出席はしてたけど居眠りや内職ばかりで、ロクに話も聞いてなかったな、、、」
こうなることほど、悲しいことはない。
下手したら、大学の授業をサボリ倒してでも、器用に卒業していったような連中よりも悲惨かもしれない。
400万円というお金だけでなく、1000時間以上の時間までドブに捨ててしまうのだから。。。
少々大げさに話したが、
少しでもゾッとした人は、ぜひとも続きを読んでほしい。
声高らかに、
「全ての授業に知的好奇心を持って、予習も復習も徹底しましょう!」
といった、理想論を述べるつもりはない。
僕が5年間の大学生活で培った、「現実的に最も大学を上手に活用するコツ」をシェアしたい。
大学に行く目的って?
「授業に出席することが目的になってはいけない」
では、何を目的にしたらいいのか?
大学に行く目的は、人によって異なるので1つに絞る必要はない。
後から振り返って気づくことだって、たくさんある。
目的が明確に定まってないまま大学生をしている人に
まず初めの目標としてオススメなのは、
「学びの楽しさを実感できるようになること」
具体的な指標としては、こんな体験ができれば達成だ。
・毎週、その授業の時間が楽しみでワクワクする
・授業後に、教授に質問したくてたまらないような疑問が湧いてくる
・その授業の単位を取った後でも、その分野の勉強を続けてしまう
大学時代にそんな授業なんて1つもなかった。。。
なんてことになってしまっては、果たして大学に行く価値はあったのだろうか??
とはいえ、、、
「二宮金次郎じゃないんだから、毎日の授業を楽しみワクワクなんて理想論でしょ!」
そんな反発も聞こえてきそうな気がする。
圧倒的に大切なのは、「メリハリ」
ここまで飽きずに文章を読んでくれているあなたは、おそらく
「学ぶことが嫌いなわけではないけど、二宮金次郎みたいな勤勉さを求められるのもちょっと、、、」
そんな大学生なのではないだろうか。
(違ったらごめんなさい。笑)
そんなあなたに、一番オススメの現実的な大学の活用方法。それは
「サボってもいい授業」と「全集中力を注ぎ込む授業」にメリハリをつける
という考え方。
というか、これ以外に現実的に大学を最大限活用する方法は想像がつかない。
考えてもみてほしい。例えば、
「教科書を上から順に淡々と説明していくような、大講義の授業」と
「憧れだったゼミの先生の、少人数講義」
この価値が同じなはずはない。
あなたが二宮金次郎並みの勤勉さを持っているのであれば
両方の授業を全力で聞けるに越したことはないが、
そんな鉄人的に勤勉な人は、ここまでこのブログを読み進めていないはず。笑
バイトに部活にサークルに、、、大人からしたら、学生は暇そうに見えるのかもしれないが、こっちはそれなりに全力で打ち込んでいるんだ!!
そう感じる人の方が多いのではないだろうか。
であれば、方法は一つしかない。
メリハリをつけることだ!
「サボってもいい授業」と「全力で集中するべき授業」
「サボってもいい授業」なんて表現をすると、一部の教育者に怒られそうな気もするけど。笑
僕なりの信念に沿って、書きたいことを書く。
まず、根底にあるのは
自分の人生は「より有意義な方に、時間を使う」ということ。
惰眠を貪ったり、ギャンブルに勤しむぐらいなら、授業はサボらないほうがいい。
僕は、授業をサボる時のルールとして
「出席していたはずの授業よりも、有意義な時間になると確信した時」だけ
一切の罪悪感なく、積極的に授業をサボっていた。
具体的には、
・どうしても読みたい本があった時
・自分の将来についてじっくり考えたい時
・新しくチャレンジしたいことが見つかった時
そんな時は、積極的に授業をサボってカフェや図書館で
本や自由帳を片手にあれこれ考えていた。
世界一周の計画や
今、自分が取り組んでいる事業の原案
なんかは、授業をサボって真剣に空想にふけっていた時間がベースになってることが多い。
今振り返っても、最高に有意義なサボリだったと自負している。笑
一方で、どんな授業でもサボっていたというわけではない。
中には、絶対にサボらない。
それどころか、学年の中で圧倒的No.1で集中していたような授業だってたくさんある。
その違いがこちら。
僕は大学時代、授業を3種類に分けていた。
・サボってもいい授業
・その中間の授業
・全力で集中する授業
基準は、明快で3つ
・授業内容がおもしろいか?
・先生がおもしろいか?
・その授業に出ないと学びにくいか?
この質問のうちYesの数が
0個の場合・・・サボってもいい授業
1つの場合・・・その中間の授業
2つ以上の場合・・・全力で集中する授業
このように分けていた。
もう少し分かりやすくまとめると、
「教科書を読んだらこと足りる授業は聞かないこともある」
「本当に聞きたい授業は、徹底的に集中する!」
「サボっていい」に分類した授業は
自分の信念を持って「他に使いたい時間」があれば、積極的にサボった。
「中間の授業」は
ケースバイケースでいろいろ。
ただし。。。。
「全力で集中する授業」は、
周りに引かれるレベルで集中していた。笑
「全力で集中する授業」とはこのような授業
1つ僕の例を挙げよう。
僕は情報理工学部という、いわゆる「IT」の学部で学んでいた。
大学時代、圧倒的に一番のめり込んだ授業は
「データ構造とアルゴリズム」
簡単にいうと、「プログラミング」の基本的な仕組みの授業だ。
3つの観点で、この授業を振り返る。
①授業内容がおもしろいか?
-Yes
それはそれは面白かった。
プログラミングの授業にも関わらず
そもそも「デジタル」と「アナログ」の違いとは?
という内容から始まった。
教科書にも書かれたいないような例も交えつつ。
デジタル時計とアナログ時計、CDとレコード、デジカメとフィルムカメラ
などなど、馴染みの深いものを例に挙げながら。
小学生でもわかるように分かりやすく、講義が進んだ。
あまりにも面白すぎた。
僕は当時、塾の講師をしていたのだが
中高生の塾生や、同僚の文系の大学生たちに向けて
この授業で学んだことを、プレゼンテーションしていたぐらい。
講義の後半の「プログラミングの仕組み」についても、目から鱗の連続。
講義は200人以上いる大講義だったが
常に、最前列ど真ん中に1人で座って聞いていた。
授業中は、気になった疑問をメモしておき
講義終了と同時に、先生をつかまえて質問をするためだ。
毎週、その授業が楽しみで仕方なかった。
僕は、プログラミング言語は「C言語」という
日本語でいうと、ひらがなレベルの超基礎的な言語しか使えない。
でも、いまだに仕事をするときには
プログラミング的な思考で、物事を考えている。
それは、確実にこの授業での学びがベースになっている。
②先生がおもしろいか?
- Yes
もう圧倒的だった。
さすが情報工学の博士だけあって、ロジカルで分かりやすい話し方のお手本のようだった。
プレゼンテーションが好きだった僕にとっては、話し方を観察するだけでも学びだらけであった。
そして。。。
研究者としても、先生はおもしろい。
音響工学のスペシャリストであり、
「不快な騒音を、心地よい音に変える快音化のシステム開発」などをされている。
業界でも注目されており、テレビにも出演するほど。
(去年は、池上彰さんの番組に出演されていた)
そんな最先端の研究事例についても、授業で取り入れてくれるような神先生であった。
③その授業に出ないと学びにくいか?
- Yes
本当は、この質問は
「ディスカッション」や「実験」などのように
独学が難しく、「大学でしか学びにくい」ものであるか?
という観点の質問である。
一般的に、大講義の授業は教科書を読めば学べる授業が多いが
先生は、人間性も授業力も知識量も圧倒的すぎて。教科書を読むぐらいでは、全く代わりにはならない、素晴らしい授業だった。
環境を嘆く前に、、、
いかがだっただろうか?
もしかすると、
「それは、偶然いい先生がいただけでしょ!?」
「うちの大学にはそんな先生はいないんだよ!」
という反論も聞こえてくるかもしれない。
確かに半分はそうかもしれない。笑
でも、、、
僕が神授業と呼んでいた「データ構造とアルゴリズム」の授業。
そんな授業でも、爆睡かましている人はいたし、
そもそも授業に1回も来ていないような人もいた。
環境を嘆く前に、自分自身を振り返ることも大切だ。
確かに、先生の質は重要だ。
研究者としては一流でも、教育者としてはプロ失格の先生だっている。
しかしながら、、、
基本的には、教授は「博士課程」まで取得した
その分野の博士である。
教えることは下手でも、自分の興味あることを質問してみれば
最新の事例や、その先生独自のおもしろい視点を話してもらえることもある。
全ての先生や、全ての授業が当たりになる確率は限りなく低い。
でも、1人でもおもしろい先生、1つでもおもしろいと感じる授業を見つけることは、そんなに難しくはない。
ぜひとも、そんな出会いを大学時代に
最低でもひとつは見つけてほしい。
「全力で集中したくなるような授業」に出会うコツ
最後に、そんな素敵な出会いを1%でも増やすためのコツをシェアしておく。
おもしろい授業の探し方
①お金のかかってそうな授業はおもしろいことが多い
大学は、各授業ごとに大きく予算配分を変えている。
例えば、大講義の授業は低予算で開講できる。
全ての授業が大講義であれば、これだけインターネットで学べる環境が増えてきた現在。
大学の価値は激減する。
だからこそ、大学は予算をかけて目玉授業を作っていることが多い。
文系の学部なら、「少人数で深いディスカッションできるような授業」であったり
理系の学部なら、「最新の機器を使った実験の授業」であったり
例えば、僕の学部では
20万円する犬のロボット「AIBO」を使ったプログラミングの授業であったり
1億円以上する「NIRS」という脳波解析装置を使った授業であったり
そんな目玉授業があった。
「高いから価値がある」とは限らないにしても
予算をかけているだけあって、先生も情熱的なベテラン勢が多く、充実した授業が多い。
特に、理系学部の人は!
「実験の授業」だけは、真剣に受けておいて損はないだろう。
②行きたいゼミ(研究室)は早めに目星を付ける
そして、予算の話の延長線上にはなるが。
大学の中で、最も教育リソースが割かれているのは
ゼミや研究室であることが多い。
ゼミは自分の興味に沿って選択をすることができる。(決定は成績順になることが多いが)
自分の興味がある分野を
潤沢なリソースに囲まれて
自分の好きな先生の元で学ぶことができる
大学時代の半分以上の価値は、ゼミ(研究室)にあると言っても過言ではないだろう。
自分に合ったゼミを選べるように、ゼミは早めから目星をつけておくといい。
(ちなみに僕は中学3年生の頃から、志望する大学・学部だけでなく、行きたいゼミまで決めており、実際にそのゼミで卒業研究を行なった。笑)
③勉強が好きな友達を作る
人には向き不向きがある。
どうしても勉強が好きになれないという人だっている。
そんな時にオススメなのが、勉強が好きな友達を作る。
ということ。
勉強好きな人は
講義をサボることも少なく、実はおもしろい授業や、あまり面白くない授業に詳しいことが多い。
また、同世代の友達だけでなく
先輩からオススメの授業を聞くのもいい。
自分の興味あるゼミの先輩に、オススメの授業を聞くことができれば
ゼミでやりたいことにも繋がり、一石二鳥だ。
最後に
いかがだっただろうか?
実はこの文章。
今、現役の大学生にも読んでもらいたかったが、、、、
来年から大学生になる、僕の弟に読んでもらうことを意識して書いてみた。笑
男四兄弟の末っ子。
勉強よりは、スポーツが好き。
でも要領の良さは兄弟一。笑
そんな彼は、まあ留年したりすることはないだろう。
でも。。。
いざ大学に入学すると、
勉強そっちのけになってしまうのではないか、、、!?
という心配も、しないわけではない兄なのである。笑
とはいえ彼も、知的好奇心がないわけではない。
最近は、読書にも少し興味が出てきたみたい。
そんな弟に、
大学を卒業して3年経つ、兄から伝えたいメッセージをまとめてみたのがこのブログ。
入学前にこんなこと言われても、しっくりこないはず。
然るべきタイミングで、伝わることを願って書いてみた。。。
書いてみたらみたで、
今の大学生にも、ぜひ読んでもらいたいメッセージになったので
ひとまず投稿しておく。笑
少しでも、今の大学生活にプラスになれば幸いです。
ぜひお気軽にコメントください♪♪
〜世界一周から5年。今はこんな活動をしています!〜
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