「努力は報われる」は不正確。正しくは…。それを教えるのが本当の教育

 

 

 

 

オーストラリアの学校の中で、一つダントツで驚いた授業がある

 

それは、「アート」の時間だ

 

*僕は今、オーストラリアの高校でボランティアをしています。 

 

 

なんと、高校生がPhotoshopとIllustratorを使って

日本でも有名なアパレル企業とタイアップしながら、パンフレットをデザインしている。

 

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彼らは特別、デザインを専攻しているわけではないのにだ。

 

 

*全ての学校でそのような授業があるわけではありません

 

 

そして、学期末のレポートは

 

完成版のパンフレットのデザインだけでなく

 

デザインの過程としての、ブレインストーミングや

プロのデザイナーが作るパンフレットの分析など。

 

計30ページぶんぐらいの

レポートが出される。

 

 

 

まるで、デザインの専門学校の授業のようだ。

 

 

 

授業そのものも驚いた。

 

 

しかし、僕が最も驚いたのは

先生の教育に対する考え方だ。

 

 

 

 

ある日、僕が見学に行った時。

 

その日は、レポートの提出日だった。

 

先生が一人一人のレポートをチェックしている間

 

一人の男の子のレポートを見せていただいた。

 

 

僕には絵心というものが皆無なので

デザインの良し悪しは評価できない。

 

でも、ページ数は相当なものがあるし、

きっちりと、必須項目がそろったレポートだ。

 

 

彼も余裕満々といったかんじで僕と雑談しながら

先生のチェックを待った。

 

 

そして、先生がチェックに来た時。

 

 

4、5分かけてレポートを見て

 

発した第一声は…

 

 

「やりなおし。このレポートには価値がない」

 

 

どーゆうこと!?

僕も学生も戸惑いを隠せなかった。

 

 

 

それから先生は、ゆっくりと彼と話し始めた

 

「これは、既存のパーツを張り合わせただけで、デザインではない」

 

「広告というものは〜〜こういう要素が必要」

 

 

 

一方的にならないように、生徒の考えも聞きながら

 

10分ぐらいかけて、

レポートの講評をした後に

 

「来週までにもう一度作り直し。それができなかったら単位はなし。」

 

 

 

彼とて、手を抜いているわけではない。

もちろんコピペレポートでもない。

一生懸命にレポートをつくったのだ。

 

がんばって作ったレポートをボロカスに言われた彼は

はじめは少し戸惑っていた。

 

しかし、話すに連れて少しずつ納得してきたようだ。

 

 

 

そして、最後の言葉が心に残っている

 

 

「クリエイティブであれ。あなたの価値を生め。」

 

 

感動した。

 

ここは、会社か!?

 

あんたはジョブズか!?

 

 

 

少なくとも、高校生にそれを言うか!?

 

 

 

ここまで言ってくれる先生は

大学の教授でもそういない。

 

 

 

 

ただ単にがんばるだけでは、

いけないということ。

 

 

これを伝えるのは、とても大切なことだと思う。

 

 

 

 

社会に出たら、

価値を生まなければいけない。

 

 

 

 

僕は、営業の仕事を始めてから

契約がうまく取れないときに、上司から

ヤーさんばりのトーンで

 

「がんばります」とか、やる気はどうでもいいから結果だせ

 

 

と、叱って頂くまでそれに気づけなかった。

 

その時は、死ぬほど怖かったが

今ではとても感謝している

 

 

後から聞いた話だが

その上司が言いたかったことは

 

 

ただがんばるだけではなく、

「どのようにがんばるか」に対して知恵を絞れ。

 

 

とのこと。

 

 

 

 

そう。どんだけがんばっても

正しい方向にがんばっていなければ成果は出ないのだ。

 

 

 

 

典型的な例は、考えなしの板書。

 

 

黒板に書かれたことを

一切の思考を無しに

ひたすらノートに写す。

 

「先生!!私がんばったんだから、平常点ちょうだい!」

 

 

という、よくある光景。

 

 

 

本人は平常点をとるためにも、一生懸命だが

 

正しい方向にがんばっていなければ力はつかないのだ。

 

 

だからこそ、

 

あのデザインの先生は、

生徒は「頑張っていた」にも関わらず、厳しく言った。

 

 

何を意識してがんばるべきかを伝える。

 

 

その姿勢はぜひとも見習いたい。

 

 

 

 

 

 

 

最後に。

 

 

僕は、「今でしょ!」の林先生が大好きだ。

 

中でも一番好きな言葉がこれ。

 

努力は裏切らない

っていう言葉は不正確だ。

 

正しい場所で、

正しい方向で、

十分な量なされた努力は裏切らない。

 

 

 

努力という言葉は美しいからこそ

 

頑張っている生徒は、それだけで

ついつい褒めてしまいそうになる。

 

けれど、本当に生徒のことを思うなら

 

努力の量だけでなく

努力の方向の大切さも伝えられる

 

そんな先生になりたい。

 

 

 

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