フィンランドの教育実習で学んだ「安全に危険を経験する教育」

 

 「安全に危険を経験する教育」

 

3ヶ月のフィンランドでの教育実習を通じて、学んだこと

それは、「安全に危険を経験する教育」の大切さです。

 

僕はフィンランドの小学校で3ヶ月のインターンをしていた間、1〜6年生まで全ての学年を訪れながら、算数から国語、宗教の科目まで全ての科目を見学させていただきました。

 

中でも一番衝撃的だった科目は「図工」の時間です。

初めて行ったクラスでは、フィンランドらしいこんなものを小学5年生が製作していました。

スクリーンショット 2016-08-12 11.42.50 

BBQの串です!フィンランドはキャンプでBBQをすることは非常にポピュラー。その際にソーセージやお肉をこの串にさして焼くそうです。それにしても、この串、、、

  DSC_1519

先がピンピンです!!!誤って人に当たってしまったら大怪我してしまいそうですね。

 

そして、次のクラスは6年生。

なんと!鉄の加工をするために、2000度近くの火を使っています!!

IMG_3499 

もちろん先生の厳重なサポートはあるのですが、端から見ていると一見危険すぎてびっくりしてしまいます。先生によると、中学生ではなんと「溶接」の授業も行うとか。

 

「危ない経験をしていないことが一番危ない」

 

「こんなことして危なくないんですか?」僕はそう聞かずにはいられませんでした。

教師歴10年以上の技術の先生、ヴィッレ先生にインタビューさせていただきました!そして先生の回答にびっくり!

 

「危ない経験をしていないことが一番危ない」

 

なんとも意味深なお言葉です。先生の考えをざっくり要約するとこんなかんじです。

 

 教育の中で大切なことは「何が危なくて、何が安全かを正しく経験させること」。この経験をしないまま大人になると、安全と危険の見境がつかなくなる。この状態が最も危ない。だからこそ自分たち(先生)が目の届く間に、安全に危険を経験させることが教育では重要である。

 何に気をつけるかを生徒にしっかりと伝えた上で、安全管理を徹底すれば事故が起こることもほとんどない。

 

 

なるほど〜〜。なんとも深イイ話です。日本の諺の「かわいい子には旅をさせよ」に通ずるものがありますね。

 

親や先生が過保護になって子どもから危険なものを遠ざければ遠ざけるほど、危険の察知能力や、回避能力は身につかないのかもしれません。

 

「先の尖ったものは、このように扱おう」

「熱いものは、このように運ぼう」 

そんな実体験を子どものうちにする中で、自然と知恵を学ばせていくことは、自分が先生になった時にも心がけたいです。

 

 

<追伸>

フィンランドでのホームステイ生活で一番驚いたこと、それは

生後数ヶ月の赤ちゃんを-15度の寒空の下で昼寝させること!!

 

12月のフィンランドですよ!?

鼻で深呼吸をすると、鼻の中が凍るのが実感出来るレベルですwwこれには本当に驚きました。

まず寝袋のような暖かい布団にくるませてベビーカーに寝かせた赤ちゃんを一人で、外に寝かします。ベビーカーにはトランシーバーが設置されており、目覚めて泣き出せば親も気づくという仕組みです。

 

氷点下の夜中に、外で赤ちゃんを一人で寝かす。

日本人からすると危なすぎて「ありえないこと」だと思います。フィンランドにそんな文化が残っているのは、教育を通して「何が危なくて、何が危なくないかの線引き」がしっかりとできているからなのかもしれませんね。

 

 

ジャングルより危ない「歩きスマホ」

 

<2018年 6月 追記>

 この話を思い出すたびに、危ない場所で気をぬくことの危険を実感します。

 

例えば、駅のホームでの歩きスマホ。イヤホンも付けていればダブルコンボです。

 

僕は世界一周中にアマゾンのジャングルも行きました。ワニも、タランチュラもいましたが、ガイドの指示をしっかり守って細心の注意を払って歩くぶんには、安全に回ることができました。

両方経験した上で、イヤホンを付けながらの駅のホームでの歩きスマホの方が絶対に危ないです。 

 

平和ボケして思わぬ事故に繋げないためにも、しっかりと幼少の頃から

危険なことを経験しながら、扱いを学ぶことは大切ですね。

 

 

   

 

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